昨年夏頃、モダンのデッキをとりあえず安そうなものを一個ということでアドグレイスを作っていたとき、happymtg記載のデッキはひと通り内容を確認していたが、なにぶんモダン環境について全く何も分からないため、どのようにサイドを取ったら良いのかさっぱりわかっていなかった。

それにしてもどのデッキを見ても、ほぼ必ず3-4枚入っていたのは神聖の力線だった。

使うまでもなく分かるが、ハンデスに極端に弱いアドグレイスにとってこれほど相性のよいサイド用カードもなく、(初手にさえ来れば)非常に強力なカードである。

当然強いカードなので、惰性でBG系相手に4枚投入し、初手に来ることを願ってゲームを開始するのだが、ピーキーなデッキの動きをさらにピーキーにさせるカードであるということや、昨今のBG系では探査ドロー禁止後も1-2枚減ったハンデス系の枚数が依然として減ったままで維持している可能性があり、今一度サイドボードの戦略を再検討する必要があるかもしれないとも思う。

まず基本路線として力線のパターンがあり、力線を使わずにより安定してハンデスに対する耐性があるものを他に検討したい。例えば殻が強いときにはけち堀葬でエリシュノーンを釣る方法がある程度有効だったが、今この方法を使うよりかは墓所のタイタンを素出しした方がシンプルに強い。

下記に示す通り、その時その時で最善のサイドを考えて大会に臨んでいるが、モダンは環境がGP神戸~KTK発売~探査・殻猛威~禁止改定と半年間でめまぐるしく変わってきている。

上で”再検討”などと書いてしまったが、環境がわからなければ検討のしようがない。BG・トロンあたりは数が多そうだが、巡航バーンもKTK後にすぐ出てきたわけではないことからも、(また急遽殻が不在になったこともあり)しばらくしてFRFの影響がモダンにあるかもしれない。環境が落着くまでは力線とタイタンを気分で使い分け、他の方法も模索していければと思う。


◎神聖の力線パターン (KTK発売~巡航バーン登場以前頃、RWバーン最盛期)
http://www.happymtg.com/decks/view/D070860

特徴:ハンデス、バーンに耐性
⇒力線が場にある限り、そもそも対象に取られない
弱点:初手に来ないと意味がない


◎けち堀葬パターン (殻トップメタ、探査ドロー禁止前)
http://www.happymtg.com/decks/view/D075158

特徴:ハンデス、バーンに耐性
⇒けちをトップすればよいので、間接的にハンデス耐性
イオナでバーンに対処可能
弱点:イオナが手札に来ると悶絶する、サイド枠を圧迫する、墓地対策に引っかかる


◎墓所のタイタンパターン (探査ドロー禁止後)
http://www.happymtg.com/decks/view/D075914

特徴:ハンデスに耐性
⇒こちらも上記同様タイタンをトップすればよい
弱点:基本的にタイタンで殴りに行くだけなので、割りと対処されやすい
バーンは特にケアしていない(別途対策が必要)

使用デッキ:アドグレイス 5-0

R1 青白黒コントロール ○○
R2 赤白緑ZOO ○○
R3 青緑トロン ○○
R4 青赤ストーム ×○○
R5 赤緑トロン ○○

http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD075914/
使用デッキ:アドグレイス 3-2

R1 青黒ゾンビ ○○
R2 白黒緑ジャンク ×○×
R3 青黒LO ×○×
R4 青赤白トラフト ○○
R5 赤青デルバー ○○
使用デッキ:アドグレイス 1-3

R1 黒白緑殻 ×○×
R2 赤緑裂け目トロン ○○
R3 赤青双子 ×○×
R4 黒白緑ジャンク ××
R5 BYE
使用デッキ:アドグレイス 4-1

R1 赤青黒無駄省き ○○
R2 赤青緑双子 ○○
R3 赤青白双子 ×○○
R4 赤青白緑バーン ×○×
R5 赤青緑スケープシフト ○×○

http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD075158/
使用デッキ:アドグレイス 4-2

R1 赤単バーン ○××
R2 白黒緑ジャンク ○○
R3 白黒緑死の影 ○○
R4 赤青黒無駄省き ○××
R5 緑単 ○○
R6 白黒緑トークン ○○
使用デッキ:アドグレイス 3-1-1

R1 青黒テゼレッター ○××
R2 赤緑黒ブリーチトラップ&スケープシフト ○×○
R3 赤緑ビートダウン ○○
R4 赤青緑デルバー ×○○
R5 緑単エルフ ID

http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD075000/
使用デッキ:アドグレイス 3-1

R1 赤青双子 ○×○
R2 白青赤ジェスカイ隆盛(命運縫い) ×○○
R3 赤青ブルームーン ○××
R4 緑単 ○○

http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD075006/
使用デッキ:アドグレイス 4-2

R1 赤黒ゾンビ ○×○
R2 赤緑トロン ○○
R3 白黒緑ヘイトベア ×○×
R4 白青赤トラフト ××
R5 白黒緑トークン ○×○
R6 赤青デルバー ○×○

12/20 The Last Sun 1日目

2014年12月21日
使用デッキ:マルドゥミッドレンジ 2-2(BYE含む)

R1 BYE
R2 ジェスカイ隆盛トークン ○×○
R3 アブザンミッドレンジ ○××
R4 アブザンミッドレンジ ×○×

使用デッキ:アドグレイス 2-2

R5 青赤デルバー ×○×
R6 青緑赤スケープシフト ×○×
R7 親和 ○○
R8 赤緑トロン ○○
使用デッキ:アドグレイス 3-2

R1 赤青黒無駄省き ○××
R2 赤黒血の長の昇天 ○○
R3 赤青緑キキポッド ○×○
R4 白黒緑エンジェルポッド○××
R5 赤青デルバー ○×○
使用デッキ:アドグレイス 1-3

R1 (途中参加)
R2 親和 ○○
R3 黒単 ○××
R4 白黒緑殻 ××
R5 呪禁オーラ ×○×
使用デッキ:アドグレイス 3-0

R1 緑ランプ ○○
R2 黒青緑感染 ×○○
R3 白青コントロール ×○○

アドグレイス 通算戦績42-23-0(diarynote開始後)
使用デッキ:アドグレイス 2-3

R1 ZOO ○○
R2 白黒トークン ○××
R3 赤緑エルフ ×○×
R4 親和 ○×○
R5 赤青緑デルバー ○××
昨日の日記では、アドグレイスがどんなデッキで、メタ的にどんな立ち位置にあるのかを駆け足で説明してきました。

ただどう考えてみたところで、アドグレイスを使う側の人口よりかは、アドグレイスを相手に使われる人口の方が多いわけで、今回はアドグレイスの倒し方(サイドボーディングや小ネタ)について考えてみたいと思います。
アドグレイスの倒され方を改めて把握することで有効な対策が考えられるはずです。

■アドグレイス”に”勝つためのTips(サイドボーディングや小ネタ)

アドグレイスを使っていて何がイヤ対抗策になるのかを一言で言えば、むかつきを打てないことにある。あまりにも当たり前のことのように聞こえますが、例えば神聖の力線を貼る理由は、むかつき後の稲妻の嵐への対策のためであって、むかつき自体を打つことを禁止も妨害もしていません。

ひとたびむかつきさえ通ってしまえば、一定の対抗策はデッキに盛りこんであり、マナとカードさえあれば、いとも簡単に対策カードを破壊・バウンスして稲妻の嵐を撃ちこめてしまいます。
(逆にライブラリを引ききって回答がない場合は負けです)

神聖の力線が無駄な対策であるということではありませんが、対策には強弱があり、対策カードもプレイングで有効に働きやすい場面もそうでないときも濃淡があり、またそれらの組合せで強化もされます。

以下に対策カードや妨害カードを使用したプレイングを列挙します。

*2016/07/07更新

▼キャスト制限

・ガドック・ティーグ
・エメリアの盾、イオナ(指定:黒)
・虚空の杯(X = 0 or 1) ⇒0の場合は睡蓮の花とカウンターがキャストできない

・エーテル宣誓会の法学者 or 弁論の幻霊(非生で対処可)
・法の定め(非生で対処可)

・スレイベンの守護者、サリア(プリズム烈日3で軽減可)
・呪い捕え or 審判官の使い魔

・大歓楽の幻霊
・自由なる者ルーリク・サー

▼追放系

・殺戮遊戯 or 精神染み or 記憶殺し(指定:むかつき)
・外科的摘出 or 根絶(指定:むかつき)

▼ハンデス

・思考囲い、コジレックの審問、強迫
・ヴェールのリリアナ
・難題の予見者
・罪の収集者
・潮の虚ろの漕ぎ手
・ヴェンディリオン三人衆

▼カウンター (特にカウンター仕返せないものや軽量なもの)

・エレンドラ谷の大魔導師(除去後の頑強誘発時を狙う)
・対抗変転
・払拭
・白鳥の歌

▼パーマネント破壊

・突然の衰微
・内にいる獣
・破壊的な享楽
・粉々
・クローサの掌握

・再利用の賢者
・酸のスライム

▼マナ拘束

・石のような静寂
・血染めの月(デッキに平地を入れておく)
・ファイレクシアの破棄者(指定:睡蓮の花 or 五元のプリズム)

▼ライフゲイン
 ⇒稲妻の嵐で到達可能なダメージ域から外れるため。研究室の偏執狂で対処可。

・砂の殉教者
・夜明けの宝冠(エンチャント一枚でキャストのときにはそれを破壊して対象不適正に)
・大霊堂のスカージ+頭蓋囲い

▼火力無効化
 ⇒研究室の偏執狂で対処可。

・真髄の針(指定:稲妻の嵐)
・ルーンの光輪(指定:稲妻の嵐)
・ブレンタンの炉の世話人
・呪文滑り (燃焼、殺戮の契約で対処可)
・神聖の力線
・崇拝

▼その他
・各種LOスペル
・天使の嗜み

▼プレイング
・再利用の賢者/罪の収集者をブリンク
・むかつきキャスト時に非生へ突然の衰微
・マーフォークの呪い捕らえ&幻影の像(コピー:呪い捕らえ)
・対策クリーチャー破壊後に薬瓶から同一クリーチャー(呪文滑り等)
・バーンが神聖の力線をボロスの魔除けで守る
・血清の幻視占術トップ後に思考掃き
・謎めいた命令で母聖樹バウンスと他呪文のカウンター

▽あまり効果的でないもの

・窒息 or 沸騰
・広がりゆく海
・大爆発の魔道士 or 溶鉄の雨
・睡蓮の花キャストに差し戻し
・むかつき解決後に非生へ突然の衰微


モダンを始めて4ヶ月ほど経過しようとしていますが、(MTGを十数年振りに再開の後、3ヶ月程度でモダンに参入)初めて手に取ったアドグレイスを最初から今まで使い続けています。

途中でいくつかデッキは作って試してはみたものの、アドグレイスに尖ったコンボであるにも関わらず一定の安定性があることや一撃必殺のコンボ達成の爽快感には敵わず、メインのデッキはアドグレイスで常に通し続けている状況です。

アドグレイスは基本的にいわゆる”ローグ”に分類されるような、Tier2未満の少数派のデッキです。ほかに誰かが使っているのをあまり見たことがありません。

(モダン初期はある程度名の知れたデッキだったのかもしれませんが、今となっては知らない人も多くなってしまったようです。確か最初はKTK前なので高価なフェッチなしでできるコンボデッキという認識で、とりあえず一個デッキを作る必要があり、”試しに作る”レベルで使っていました)

それゆえデッキの構築、プレイング等々をはじめ、そもそも使い始めはどんなデッキであるのかあまり情報が入ってこず、最初は自分でデッキを可能な範囲でコピーして回してなんとなくデッキの雰囲気を掴んでいたくらいなので、多少掘り下げた内容や疑問点は自分で何とかするしかありませんでした。

モダンであまり使われていなくて、かつそこそこ強い風変わりなコンボデッキとしてこれからアドグレイスを選択する人のために、また自分の考えの整理のために、一度文章にまとめてみたいと思います。

以下個々の視点からアドグレイスの特徴などについて書いてみることにします。

■デッキの概要

アドグレイスの基本的な動きとしては、睡蓮の花や五元のプリズムでマナブーストし、A)天使の嗜みをキャスト、またはB)ファイレクシアの非生設置のいずれかの状態でむかつきをキャスト、A)B)いずれにしてもいくらむかつきでライブラリトップをめくってもゲームに敗北しない状態なので、すべてのカードを手札に加えることができます。そしてすべてのカードを手札に加えたならば、猿人の指導霊3枚から(主に)稲妻の嵐をキャスト、手札の致死量分の土地カードを投げつけて勝利します。

■アドグレイスと他デッキの相性 *2016/07/07更新

もしアドグレイスで大会に出るとして、他のどのデッキに勝ち、どんなデッキだと負けてしまうのか。今回主要なデッキ群の上位から順に、あくまで経験則で比較を行っていきます。分類上のアーキタイプでの比較では、実際に対戦する個々のデッキはさらに様々なバリエーションがあるので、相性を正確に反映できませんが、ある一定の相性についての判断は可能なはずです。

…相性マークの定義
 ⇒◎ 比較的勝ちやすい
  ○ 五分五分程度
  △ どちらかというと負ける可能性の方が高い
  × 勝てる望みは薄い

↑勝ちにくい

 感染:× (速いクロック・非生/嗜み無効化・カウンター)
 SCZ:×(速いクロック)
 奇襲隊ZOO:×(速いクロック)

 B/G/w :△(ハンデス・パーマネント破壊/サイドカード)
 B/G/r :△(ハンデス・パーマネント破壊)
 マーフォーク:△(速いクロック・呪い捕え・カウンター)
 白黒エルドラージ:△(ハンデス、サリア)
 U/R/x Delver:△ (速いクロック・軽量カウンター)
 W/U/R トラフト:△ (速いクロック・カウンター)
 グリクシスコントロール:△(ハンデス、カウンター)
 グリセルシュート:△(キルターンが早い)
 R/w/x バーン:△

 親和:○
 アブザンカンパニー:○
 ZOO:○
 ストーム:○
 ドレッジ:○
 エルフ:○
 呪禁:○

 ジェスカイナヒリ:◎
 G トロン:◎
 白黒トークン:◎
 リビングエンド:◎
 ジェスカイコントロール:◎
 キキコード:◎
 ブリーチヴァラクート:◎
 スケープシフト:◎
 U/x トロン:◎

↓勝ちやすい


ー総評  *2016/06/20更新

アドグレイスで多いキルターンはおよそ4-5ターン目前後で、モダンの3ターンキルの基準もひっかからず特段瞬殺コンボというわけではありません。ただそんなスピード感であっても対戦相手は4ターン目の一撃必殺のコンボを止められるデッキばかりではなく、十分な強みとなっております。ヴァラクートデッキやトロンを少し上回るスピードです。また《ファイレクシアの非生》や《天使の嗜み》といったコンボパーツ兼防御手段によってターンを稼ぐことができ擬似的にスピードアップを図ることができます。

かつて双子デッキがいた頃には相手のコンボ時に割り込んだり、コントロールデッキのフルタップ時にインスタントタイミングで勝利できることがこのデッキの強みではありましたが、現在は《欠片の双子》の禁止や《祖先の幻視》が解禁されたにも関わらずコントロールデッキが下火であることも含め、強みを出しにくい状況であると思います。(さらには《欠片の双子》禁止後の感染を含む高速ビートダウンデッキの増加により逆風が吹いているように感じます)。

直近あまりよい環境の変化がなさそうであるものの、それでもGP Charlotteで2015年はTOP8、2016年は優勝をもぎとることができ、(ローグデッキ扱いから急にメタ上に踊り出て禁止カードを出した)《精力の護符》ほどではありませんが、実は地力の高いデッキであることが徐々に理解されてきたのかもしれません。
使用デッキ:アドグレイス 5-2-0(12/95位)⇒1BYE獲得

R1 BGW ○○
R2 青黒コントロール ○○
R3 親和 ×○○
R4 青緑感染 ○××
R5 BGWゾンビ ○×○
R6 赤青緑デルバー ××
R7 赤緑ブリーチトラップランプ ○○

http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD072834/
使用デッキ:アドグレイス 4-2

R1 BG ××
R2 赤白青コントロール ○×○
R3 死せる生 ○×○
R4 4色感染 ××
R5 赤単ゴブリン ○○
R6 赤青緑クロックパーミッション ○○

アドグレイス 通算戦績32-18-0(diarynote開始後)
使用デッキ:アドグレイス 3-2

R1 スケープシフト○×○
R2 ジャンド ○○
R3 ハサミ親和 ××
R4 白黒不朽の理想 ○×○
R5 BG ○××

http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD073020/
使用デッキ:赤黒グリセルシュート 0-2

R1 スケープシフト×○×
R2 赤黒青グリセルシュート ××
R3 BYE

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